📈 終活における株・投資信託の評価と手続き:円滑な相続のための準備


終活において、株(上場株式)投資信託などの金融資産の整理は、不動産と同様に重要です。これらの資産は、評価方法が預貯金と異なり複雑であり、**相続税の申告期限(相続開始日の翌日から10ヶ月以内)**が短いため、事前の準備が円滑な相続手続きの鍵となります。

ここでは、終活で株・投資信託を整理するために必要な「評価額の把握」と「相続手続きの流れ」について解説します。


💰 ステップ1:株・投資信託の「相続税評価額」を把握する

株や投資信託は、相続開始日(被相続人が亡くなった日)の時価を基準に評価されます。

1. 上場株式の評価

上場株式の評価額は、相続開始日時点の株価を基準としますが、相続税申告では、以下の4つの価格のうち最も低いものを選んで評価できます。

  1. 相続開始日の終値(最終価格)

  2. 相続開始月の毎日の終値の平均額

  3. 相続開始月の前月の毎日の終値の平均額

  4. 相続開始月の前々月の毎日の終値の平均額

  • 確認方法: 証券会社から相続開始日の残高証明書を取り寄せることで、基準となる価格や株数を確認できます。

2. 投資信託の評価

投資信託の評価は、種類や形態によって計算方法が異なりますが、基本的には以下の要素を考慮します。

  • 基準価額と口数:

    • 相続開始日の「1口あたりの基準価額」

    • 証券会社から取得した「残高証明書」に記載された「口数」(数量)

  • 未収分配金: 再投資されていない未収分配金(源泉所得税等控除後)

  • 控除項目: 信託財産留保額や解約手数料などを差し引きます。

  • 計算: 「1口あたりの基準価額」×「口数」を基本とし、未収分配金の加算や控除項目の差し引きを行います。(出典1.2、1.6)

⚠️ 注意点: 複数の銘柄を保有している場合、評価が複雑になりミスが出やすくなります。評価額が大きい場合は、早めに税理士に相談することを強くおすすめします。(出典1.2)


📝 ステップ2:終活で「生前」に行うべき整理と準備

相続人が困らないよう、ご自身が元気なうちに証券口座を整理し、必要な情報をまとめておくことが重要です。

1. 証券口座の整理・集約

  • 不要な口座の解約: 長期間取引のない休眠口座や不要な証券口座は、相続発生後の手続きの手間を減らすため、生前に解約しておきましょう。(出典2.1)

  • 口座の一本化: 複数の証券会社に口座を持っている場合、利用頻度の高い一つまたは少数に集約することで、管理がしやすくなり、相続手続きの負担も軽減します。(出典2.3、2.8)

  • ネット証券への対応: ネット証券や通帳不発行の取引は、家族が口座の存在自体を知らない「落とし穴」になりやすいです。必ず情報を残しておきましょう。(出典2.5、2.6)

2. 財産目録の作成と情報共有

相続人がスムーズに手続きを行うための**「手引き」**をエンディングノートなどに作成します。

共有すべき情報記載内容
取引証券会社の情報金融機関名、支店名、口座番号、口座名義、連絡先(相続窓口)
保有銘柄リスト銘柄名、株数(口数)、取得単価(特定口座か一般口座か)、取得年月日など
書類・IDの保管場所通帳、キャッシュカード、取引報告書、ID・パスワードのメモなどの保管場所

💡 コツ: 家族が「どこの証券会社と取引があったか」を把握できない場合、相続人が**証券保管振替機構(ほふり)**に照会をかけることは可能ですが、時間と手間がかかります。生前に家族へ伝えておくのが最善です。(出典1.4、2.5)


🏛️ ステップ3:相続発生後の「名義変更手続き」の流れ

実際に相続が発生した場合、株や投資信託を相続人の名義に変更する手続きは、以下の流れで進めます。(出典1.1、1.4、1.7)

  1. 金融機関(証券会社)へ連絡: 相続が発生したことを伝え、相続手続きの案内書類と「残高証明書」の発行を依頼します。

  2. 必要書類の準備:

    • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

    • 相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書

    • 遺言書または遺産分割協議書

    • 金融機関指定の「相続手続き依頼書」など

  3. 相続人の口座開設: 株や投資信託を引き継ぐ相続人は、その証券会社で証券口座(特定口座を推奨)を新規開設する必要があります。(出典1.4)

  4. 書類提出と審査: 必要書類を証券会社に提出します。審査には通常2〜4週間程度かかります。

  5. 移管完了: 審査完了後、故人の資産が相続人の口座へ移管され、手続き完了です。相続人は、そのまま保有し続けるか、売却するかを選択できます。

重要: 投資信託や株は、解約・換金して直接相続人に払い戻すことは原則できません。必ず名義変更手続きを経てから、売却することになります。(出典1.7)

相続税の申告期限(10ヶ月以内)に間に合わせるためにも、終活で早めに証券口座の整理と情報共有を行い、相続人の負担を大きく軽減しましょう。

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