「自宅で最期を迎えたい」願いを叶えるには? 自宅での看取り、必要な準備と心の整え方
愛する家族が「住み慣れた家で最期を迎えたい」と願ったとき、その想いを支えてあげたいと考える方は多いのではないでしょうか。
自宅での看取りは、病院とは違う温かい時間の中で、ご家族と共に最期まで過ごすことができる、かけがえのない選択です。しかし、何から準備すればいいのか、どんなことが起こるのか、不安に感じることもありますよね。
この記事では、ご自宅での看取りを検討する上で知っておきたい、具体的な準備や心構えについてお伝えします。
自宅での看取り、まず考えるべきこと
ご自宅での看取りを始めるにあたり、まずは2つの大切な準備から始めましょう。
1. 医療・介護の体制を整える
自宅での看取りは、ご家族だけで行うものではありません。在宅医療や訪問看護のプロフェッショナルなサポートが不可欠です。
かかりつけ医(在宅医)を探す
まずは、在宅での診療に対応してくれる医師を見つけましょう。容態が変化した際の往診や、夜間・休日の対応について、事前に確認しておくことが大切です。
訪問看護ステーションと連携する
日々の体調管理や、医療処置(点滴、床ずれの処置など)が必要な場合は、訪問看護師のサポートが欠かせません。看取り期には、日々の訪問回数を増やすなど、柔軟に対応してもらえます。
ケアマネジャーに相談する
ケアマネジャーは、在宅での看取りに必要なサービス(訪問介護、福祉用具のレンタルなど)の利用計画を立ててくれる専門家です。まずは相談することから始めましょう。
2. ご本人とご家族の心の準備をする
医療的な準備と同時に、心の準備も大切です。
気持ちを言葉にする
「最期は家で過ごしたい」というご本人の想いを尊重し、どのような時間を過ごしたいか、ご家族で話し合う機会を設けましょう。
不安を共有する
ご家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや訪問看護師に不安や悩みを打ち明けることで、精神的な負担を和らげることができます。
これだけは揃えたい!具体的な準備リスト
自宅での看取りをスムーズに行うために、具体的な準備を進めましょう。
環境を整える
介護ベッド:体位変換が楽になり、ご本人の負担を軽減します。
ポータブルトイレ:ベッドサイドに置くことで、移動の負担を減らせます。
温度・湿度管理:快適に過ごせるよう、エアコンや加湿器を活用しましょう。
医療・介護用品を準備する
体温計、血圧計、パルスオキシメーター:日々の体調変化をチェックするために。
清拭用品:体を拭くための温かいタオルや、清拭用ウェットシート。
おむつや尿取りパッド:身体状況に合わせたサイズを準備します。
心を豊かにする準備
好きな音楽や香り:ご本人が安らげる音楽やアロマで、心地よい空間を演出しましょう。
思い出の写真:アルバムや写真を近くに飾り、懐かしい思い出話をする時間を作ります。
いざという時の「もしも」に備える
看取り期に入ると、容態が急変することもあります。慌てないように、事前に流れを把握しておきましょう。
看取り期のサインを理解する
食事や水分がとれなくなる、眠っている時間が長くなる、呼吸が変化するなど、身体的な変化について、事前に医師や看護師から説明を受けておくと、落ち着いて対応できます。
緊急時の連絡先リスト
在宅医、訪問看護ステーション、ケアマネジャーなど、緊急時に連絡するべき連絡先を、すぐに手に取れる場所にまとめておきましょう。
看取り後の手続きを確認する
ご逝去されたら、まずはかかりつけ医に連絡します。在宅医が死亡診断書を発行してくれるため、その後、葬儀社へ連絡して手続きを進めます。
自宅での看取りは、ご本人にとっても、ご家族にとっても、かけがえのない時間となります。不安なことは専門家に相談しながら、心穏やかな最期の時間を迎えられるよう、ゆっくりと準備を進めていきましょう。