後悔しないための株式・投資信託の終活対策:家族に負担をかけないための3つのステップ
はじめに:終活は、現金だけでは不十分?
「終活って、遺言書を書いたり、身の回りを整理したりすることだと思っていた…」
「株や投資信託は、家族に伝えておけば大丈夫だよね?」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。実は、現金や不動産と比べて、株や投資信託は、その手続きが複雑で、家族が困ってしまうケースが少なくありません。特に、証券会社とのやり取りや、名義変更の手続きは、多くの時間と労力を要します。
この記事では、大切な家族に負担をかけないために、株や投資信託の終活として、今からできる具体的な対策を3つのステップで解説します。
ステップ1:保有資産の「見える化」から始める
まずは、あなたがどんな金融資産をどれだけ持っているかを**「見える化」**することから始めましょう。これが、すべての終活対策の第一歩です。
保有銘柄のリストアップ: どのような株や投資信託を、どの証券会社で、どれくらいの数量保有しているかをリストアップします。
口座情報の整理: ネット証券や複数の証券会社に口座を持っている場合は、すべての口座情報を整理しましょう。IDやパスワード、連絡先なども控えておくと、家族が手続きする際に非常にスムーズです。
保有資産の評価額を把握: 定期的に評価額をチェックし、資産の全体像を把握しておくことも大切です。
<落とし穴>
複数の証券会社に口座を分散させている場合、すべての口座の存在を家族が把握しているとは限りません。使っていない口座でも、少額の資産が残っている可能性があるので、注意が必要です。
ステップ2:家族が困らないための「事前準備」
保有資産の全体像が把握できたら、家族がスムーズに手続きを進められるように、具体的な準備を始めましょう。
準備①:遺言書の作成と遺言執行者の指定
最も効果的な対策は、遺言書を作成することです。遺言書には、どの金融資産を誰に相続させるかを明確に記載します。
遺言執行者の指定: 遺言書に「遺言執行者」を指定しておけば、その方があなたの死後、相続手続きや名義変更の手続きを代行してくれます。これにより、家族の負担を大きく軽減できます。
準備②:エンディングノートの活用
遺言書には法的な効力がありますが、そこまで厳密に考えていない場合は、**「エンディングノート」**を活用するのも一つの手です。
エンディングノートの記入: どこに、どんな金融資産を持っているか、口座情報や連絡先などを具体的に記入しておきましょう。これにより、家族は「どこから手をつければいいかわからない」という状況を避けることができます。
準備③:「金融資産の承継に関する意向書」の作成
一部の証券会社では、顧客が亡くなった場合に、金融資産をどのように承継するかについて、事前に意向を登録できるサービスがあります。このサービスを活用すれば、手続きがよりスムーズになります。
ステップ3:生前にできる「資産の整理」
終活は、何も死後のことだけではありません。生前に資産を整理しておくことも、家族の負担を減らすことにつながります。
整理①:NISA口座の活用と管理
**NISA(新NISA)**口座は、生前に保有していれば非課税メリットがありますが、相続時には通常の課税口座に移管されます。
NISA口座の把握: 自分がNISA口座を保有していることを家族に伝えておきましょう。
整理②:口座の集約と整理
複数の証券会社に分散している資産を、一つの証券会社に集約することも有効です。これにより、家族が手続きする際に、窓口が一つになるため、手間を大幅に減らすことができます。
まとめ:終活は「今」からできる大切な家族への贈り物
株や投資信託の終活は、専門的な知識が必要で複雑なイメージがあるかもしれません。しかし、今回ご紹介した3つのステップを踏むことで、大切な家族に大きな安心と優しさを残すことができます。
資産の「見える化」、「事前の準備」、そして**「生前の整理」**。この3つを意識して、できることから少しずつ始めてみましょう。
この記事が、あなたの終活の一助となれば幸いです。