「血管年齢はあてにならない」ってホント？どこで測れる？血管の健康状態を知る新常識
「健康診断で『血管年齢が高いですね』って言われたけど、これってどこまで信用できるの？」
「そもそも血管年齢ってどうやって測るの？自宅でも測れるのかな…？」
最近、健康番組や健康イベントなどで耳にすることも増えた「血管年齢」。ご自身の血管が実年齢より若いか老いているかを示す指標として、健康意識の高い方々の間で注目されています。しかし、「血管年齢はあてにならない」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。一体、この情報は本当なのでしょうか？そして、もし血管年齢を測る意味があるとしたら、どこで、どのように測定できるのでしょうか？
この記事では、まず**「血管年齢」という言葉が指す意味を分かりやすく解説します。次に、「あてにならない」と言われることの真意と、医療現場での位置づけについて詳しく掘り下げていきます。さらに、血管年齢を測る具体的な方法や、信頼性の高い医療機関での検査の種類**、そして自宅で手軽に測れる機器まで、具体的な情報をたっぷりお届けします。ご自身の血管の健康状態を正しく知り、より健やかな生活を送るためのヒントを見つけましょう！
血管年齢とは？どこまで信用できるの？
「血管年齢」という言葉は、私たちの血管が、実年齢と比べてどれくらい老化しているかを示す**「目安」として使われます。主に、血管の「硬さ」や「詰まり」**の程度を評価し、数値化することで、視覚的に分かりやすく表現されています。
「血管年齢はあてにならない」の真意とは？
この言葉には、いくつかの側面があります。
測定方法による信頼性の差:
一般的に、商業施設やイベントなどで手軽に測れる指先で測定するタイプの機器は、簡易的なスクリーニングを目的としており、その数値は体調や環境に左右されやすく、誤差が出やすいと言われています。そのため、「あてにならない」と感じる人がいるのは、そうした簡易測定器の結果を指していることが多いです。
一方、医療機関で行われる検査（後述）は、より客観的で信頼性の高い指標として用いられ、動脈硬化の進行度や将来の心血管疾患リスクを評価する上で重要な情報となります。
「年齢」という表現の限界:
「血管年齢」という表現は分かりやすい反面、血管の健康状態を単純な「年齢」で表すことには限界があります。血管の老化は、硬さだけでなく、血管の内側の状態（プラークの有無など）や、詰まり具合など、様々な要素が複雑に絡み合っています。
しかし、血管の健康状態に関心を持ってもらうための**「きっかけ」**としては非常に有効な指標と言えます。
医療現場での位置づけ
医療現場では、「血管年齢」という言葉そのものよりも、その裏付けとなる**「動脈硬化の進行度」**を評価する検査が行われます。これらの検査は、自覚症状が出にくい動脈硬化の早期発見や、生活習慣病の管理、将来的な心筋梗塞や脳梗塞などのリスク評価に役立てられています。
血管年齢を測る方法と場所は？
血管年齢、つまり動脈硬化の状態を測る方法はいくつかあります。簡易的なものから、医療機関で精密に測定するものまで見ていきましょう。
1. 医療機関（病院・クリニック）での検査
最も信頼性が高く、正確な診断につながるのが医療機関での検査です。主に以下の検査が行われます。
CAVI（キャビィ）検査：心臓足首血管指数（Cardio Ankle Vascular Index）
方法: ベッドに仰向けに寝た状態で、両腕と両足首に血圧計の帯（カフ）を巻き、心電図と心音マイクを装着して測定します。
わかること: 心臓から足首までの動脈の**「硬さ」**を測定します。血管が硬いほど、動脈硬化が進んでいると判断されます。
特徴: 血圧の影響を受けにくく、動脈硬化の進行度を客観的に評価できるとされています。検査時間は5分程度で、痛みもありません。
測定場所: 多くの内科、循環器内科、健康診断センターなどで実施されています。
ABI（エービーアイ）検査：足関節上腕血圧比（Ankle Brachial Index）
方法: CAVI検査と同時に行われることが多いです。両腕と両足首の血圧を測定します。
わかること: 足の動脈の**「詰まり具合」**を測定します。足首の血圧が腕の血圧に比べて低い場合、足の動脈に狭窄や閉塞がある可能性が示唆されます。
特徴: 下肢閉塞性動脈硬化症（PAD）の早期発見に役立ちます。
頸動脈エコー検査:
方法: 首にゼリーを塗り、超音波を当てて頸動脈（脳に血液を送る重要な血管）の状態を観察します。
わかること: 頸動脈の**「壁の厚さ」や「プラーク（コレステロールなどの塊）の有無」**を直接視覚的に確認できます。プラークがあると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。
特徴: 比較的太い血管の状態を直接見ることができるため、動脈硬化の進行度を詳細に評価できます。
費用: これらの検査は、自費診療となる場合や、特定の条件（高血圧、糖尿病などの既往歴）で保険適用となる場合があります。料金は医療機関によって異なりますが、CAVI/ABI検査で1,500円〜数千円程度が目安です。
2. 健康イベント・商業施設などでの簡易測定
健康イベントや一部の商業施設（ドラッグストア、フィットネスクラブなど）で、無料で血管年齢を測れるサービスが提供されていることがあります。
指先測定タイプ（加速度脈波計）:
方法: 指先を機器に入れるだけで、数秒〜数十秒で測定できます。
わかること: 指先の脈拍から血流のスピードを測定し、血管の柔軟性を推定して血管年齢を表示します。
特徴: 非常に手軽で簡単。ただし、前述の通り、飲酒、喫煙、運動、ストレス、緊張、体温などの影響を受けやすく、結果にばらつきが出ることがあります。あくまで**「参考値」**として活用し、継続的に測定して変化を見るのがおすすめです。
3. 自宅で測定できる機器
市販の家庭用血管年齢測定器も存在します。
市販の測定器: スマートフォンと連携して測定できる小型デバイスなどがあります。
方法: 指先にクリップを装着するなど、簡易的な操作で測定できます。
わかること: 血管の柔軟性や動脈硬化のリスクを推定します。
特徴: 自宅で好きな時に手軽に測れるのがメリットです。ただし、これも医療機器ではない「非医療機器」の場合が多く、簡易測定器と同様に結果の解釈には注意が必要です。日々の生活習慣改善のモチベーション維持には役立つでしょう。
血管年齢が高いと言われたら？今日からできる対策と心構え
もし「血管年齢が高い」という結果が出たとしても、過度に心配する必要はありません。それは、生活習慣を見直す良い機会と捉えましょう。
1. 生活習慣の改善が第一！
血管の老化は、日々の生活習慣と密接に関わっています。
食生活の見直し:
バランスの取れた食事: 野菜、果物、全粒穀物、魚などを積極的に摂りましょう。
塩分・脂質の摂りすぎに注意: 加工食品や外食を控えめにし、薄味を心がけましょう。
食物繊維を豊富に: 野菜や海藻、きのこ類はコレステロールの吸収を抑える効果が期待できます。
適度な運動:
有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳など、無理のない範囲で毎日20〜30分程度行いましょう。
継続が大切: 習慣化することが何よりも重要です。
禁煙・節酒:
喫煙: 血管を収縮させ、動脈硬化を急速に進行させる大きな要因です。禁煙は血管の健康にとって最も重要な一歩です。
飲酒: 適量であれば問題ありませんが、過度な飲酒は血圧上昇や中性脂肪の増加につながります。
ストレス管理:
ストレスは血管に負担をかけます。趣味やリラックスできる時間を作り、ストレスを上手に発散しましょう。
質の良い睡眠:
十分な睡眠は、体の回復だけでなく、血圧の安定にもつながります。
2. 定期的な健康チェックを習慣に
血管年齢の検査だけでなく、年に一度の健康診断で、血圧、血糖値、コレステロール値（LDL、HDL、中性脂肪）などを定期的にチェックしましょう。これらの数値は、動脈硬化の進行度を評価するための重要な指標となります。
3. 専門医への相談を検討する
もし、血管年齢が極端に高い、または他の健康診断の数値に異常が見られる場合は、内科や循環器内科の専門医に相談しましょう。早期に適切な診断と治療を受けることで、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気を予防できる可能性が高まります。
まとめ：血管年齢を「健康を見直すきっかけ」に！
「血管年齢はあてにならない」という話は、簡易測定器の特性を指していることが多く、医療機関で行われる検査は、動脈硬化の重要な指標として活用されています。血管年齢は、ご自身の血管の健康状態を知り、生活習慣を見直すための大切な「きっかけ」となるでしょう。
信頼性の高い情報は医療機関で得る。
簡易測定器は日々のモチベーション維持に活用する。
結果に関わらず、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙・節酒、ストレス管理、質の良い睡眠を心がける。
これらのポイントを実践することで、血管の健康を守り、将来の病気のリスクを減らすことにつながります。ご自身の血管を労わり、いつまでも若々しく健康な生活を送りましょう！